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チーミング intel

チーミングモード

ご使用されるチーミングモードによって、使用できるチーミングの機能や、動作の詳細が異なりますので、使用するネットワーク機器や目的にあわせて、適切なチーミングモードを選択していただく必要があります。

注意: 各モード共に、少なくとも 1 枚のインテル・サーバー・アダプターが存在する必要があります。また各モードでは L2 レイヤーにおける冗長化を対象としています。

 

  • アダプター・フォールト・トレランス (AFT)
    チーム設定された複数のアダプターにて、ひとつのプライマリー・アダプターと他のセカンダリー・アダプターに割り当てられ、外部との通信はプライマリー・アダプターが行います。何らかの原因で通信不能となったプライマリー・アダプターは、MAC アドレスや L3 アドレスをフェイルオーバー先 (セカンダリー) アダプターへと引き継ぎ、他のネットワークとの通信が継続されます。なお、アダプター・フォールト・トレランス (AFT) モードでは、複数のタイプおよび速度のインテル製アダプターを混在させることができます。このモードの使用時は、同一チームのすべてのアダプターを同一のハブ、またはスイッチに接続する必要があります。又、トラフィック軽減のために、チーム構成されている各アダプターの接続ポートに対するスパニングツリー (STP) を OFF に設定してください。

     

    注意: チームメンバーの接続先として L3 スイッチ製品を使用した場合、各ポート間の動作確認が正しく行われない現象が発生する場合があります。これはチームメンバーの動作状況を確認するために使用するプローブパケット (type 886D のマルチキャスト、またはブロードキャストパケット) の通信がうまく行えないためです。

 

  • スイッチ・フォールト・トレランス (SFT)
    2 つのアダプターを 2 つのスイッチに、それぞれ 1 つずつ接続した上で、一方がプライマリー・アダプター、もう一方がセカンダリー・アダプターに割り当てられ、ネットワーク上ではプライマリー・アダプターが通信を行います。アダプター、ケーブル、または接続しているスイッチのいずれか 1 個所が故障した場合、MAC アドレスや L3 アドレスをフェイルオーバー先 (セカンダリー) アダプターに引き継ぎ、ネットワークの可用性を提供するものです。なお、このモードには、接続されたスイッチ以降に発生した障害を検出する機能はありません。これらの経路冗長化については、スイッチ製品側のスパニングツリー (STP) 機能を使用して環境を構築してください (この場合、各スイッチ間のスパニングツリー (STP) を ON にする必要があります)。また、チームメンバーの接続するスイッチに他のクライアントを直接接続した場合、該当スイッチが故障した際に、フェイルオーバー後もそのスイッチに接続されているクライアントとの通信ができなくなる場合があります。

    注意: SFT モード および 802.3ad DYNAMIC モードでは、スイッチ同士のフェイルオーバーができますが、他のモードではチームメンバー (チーミングを構成したアダプター群) は、同じスイッチハブ、またはルーターに接続する必要があります。

 

  • アダプティブ・ロード・バランシング (ALB)
    この機能は複数の宛先アドレスに対する送信を同一のハブ、またはスイッチに接続された 2~8 ポートのチームメンバーで同時に行なうことにより、ネットワークの帯域幅を向上させるもので、AFT の機能も含まれています。外部からのデータ受信はプライマリー・アダプターのみが行ないます。送信データが複数の宛先アドレスを指定している場合に、構成された各アダプターより各アドレスへ同時に送信されますマルチキャスト・ブロードキャストや、ルーティングされないプロトコル (NetBeui, Microsoft IPX など) では、プライマリー側のアダプターからのみ送信されます。

    どのスイッチでも使用できます。

    注意: 送信のロードバランスは、宛先アドレスを元に行なわれるため、同時送信は複数アドレスへ行なった場合のみであり、常に各アダプターより送信が行われる動作ではありません。また、ALB モードでのロード・バランシング機能は、レイヤ 3 でルーティングするプロトコル (IP および NCP IPX) のみをサポートし、送信のみアグリゲーションします。リンク・アグリゲーション・モード (SLA 及び DLA) では、このモードに対応したスイッチが必要ですが、ALB (および RLB) では、どのスイッチでも使用可能です。なお、チームメンバーの接続先として L3 スイッチ製品を使用した場合、各ポート間の動作確認が正しく行われない現象が発生する場合があります。これはチームメンバーの動作状況を確認するために使用するプローブパケット (type 886D のマルチキャスト、またはブロードキャスト・パケット) の通信がうまく行えないためです。

    • レシーブ・ロード・バランシング (RLB)
      この機能は複数の宛先アドレスからの受信を 2~8 ポートで同時に行なうことにより、受信に対するネットワークの帯域幅を向上させるものです。実際には ALB モードの付随機能として、RLB が組み込まれおり、設定にて有効・無効を切り替えることが可能です。リンク速度の 1 番速いアダプター (群) のみが TCP/IP トラフィックの受信を行ないます。その他のトラフィックは、リンク速度に拘らずプライマリー側のアダプターで受信されます。どのスイッチでも使用できます。フェイルオーバーにより ARP が再送信されるまでネットワークの遅延が発生します。また、同時受信は複数クライアントからの場合のみ発生します。

      この機能は Windows 2000、Windows Server 2003 および Windows NT 4.0 で使用できます。

 

  • 静的リンク・アグリゲーション (SLA)
    本機能では、チームを構成するすべてのアダプターが送受信できます。しかしながら、各アダプターの送受信データは単独のアドレスに対して単一のアダプターでのみ扱われ、その基本速度を超えません (帯域幅の拡張は行われません)。すべてのアダプターが 1 つの MAC、および L3 アドレスを共有し、フォールトトレランス機能を含みます。送信の際は発信元・宛先アドレスペアを基準にロード・バランシングし、複数アドレスへ同時送信を実行した場合のみ発生します。受信のロード・バランシングはスイッチの機能によります。2~8 ポートをアグリゲートできますが、接続するスイッチ製品の仕様と合致させる必要があります。このモードでは、プライマリー・アダプターを設定する必要はありません。

    注意: PAgP プロトコル使用の Cisco FEC 対応スイッチと GEC 対応スイッチ、リンク・アグリゲーション対応のスイッチ、その他の静的 802.3ad 対応スイッチが必要ですので、使用機器の対応状況をご確認下さい。

 

  • IEEE 802.3ad 動的リンク・アグリゲーション (DLA)
    このモードは、Link Aggregation Control Protocol (LACP) チャネルに設定されたスイッチにより動作します。その為、IEEE 802.3ad 標準を完全にサポートするスイッチが必要です。ソフトウェア内にある、アクティブ・アグリゲーターがスイッチと ANS ソフトウェア (または他のスイッチ) のチーム・メンバーシップを決定します。なお、この機能は一部の Intel® ANS ソフトウェアでのみ使用できます。

 

この表はチーミングモードごとに使用できるチーミング機能の一覧です。

機能 モード
AFT SFT ALB (RLB) SLA DLA
フォールトトレランス
リンク・アグリゲーション    
ロード・バランシング     送信 送信 / 受信 送信 / 受信 送信 / 受信
レイヤー 3 アドレス・アグリゲーション     IPのみ
レイヤー 2 アドレス・アグリゲーション        
速度の異なるアダプターの混在    
  • すべてのモードで、複数の種類のアダプターを混在させることができますが、LA モードでは、チーム内のアダプターは同じ速度でなければなりません。速度の異なるアダプターの混在は、AFT、ALB、RLB および SFT モードでのみ可能です。
  • Multi-Vendor Teaming (MVT) (他社製ネットワーク・アダプターを含むチーム構成)はどのモードでも適用できますが、Windows 2000、Windows Server 2003 および Windows NT のみに対応しています。
  • DLA モードは、新しい ANS リリースでのみ使用できます。

設定の際に考慮すべき事項

  • 不必要なフェイルオーバーを繰り返す場合は、スイッチなどの STP 機能 (Spanning Tree Protocol) を無効にしていることを確認してください。なお、SFT モードの場合は、チーミングされたアダプターが接続されたポートに対して STP を無効にしてください。
  • SFT 以外のモードでは、最多で 8 ポートまでのチームを構成することができますが、OS、CPU、RAM、PCI などのバス、スイッチの容量、機能制限などの環境要因によって、どれだけアダプターを追加でき、どれだけのスループットが得られるかが決まります。
    なお、SFT では 2つのアダプターでのみ使用できます。
  • リンク・アグリゲーションを使用する場合、必ずお手持ちのスイッチのアグリゲーション対応機能を確認してください。特に DLA モードは、IEEE 802.3ad の DLA 標準および LACP を完全にサポートするスイッチが必要です。  
  • アダプターがいくつあるかに関わらず、特定の 1 つのアドレスのみに送信した場合のスループットよりも、多数のアドレスへ送信した場合のスループットのほうが早くなります。